エンジニアの衝動をアウトプットに繋げる技術基盤とルールデザインの実践

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エンジニアの衝動をアウトプットに繋げる技術基盤とルールデザインの実践

はじめまして、私は MIMIGURI でエンジニアリングマネージャーをしています。
最近はルールデザインにも興味があり、エンジニアとしての技術力を活かすだけでなく自分やチームのためのルールの探究をしています。

エンジニアとして働く中で、常に感じてきたのは「アイデアは浮かぶけれど、形にして届けるのは難しい」ということです。この悩みは私個人の課題であると同時に、多くのエンジニアが共通して抱える悩みだと思います。

エンジニアの衝動

生成AIでコードを書くことは楽になっても価値を届けるためにはアウトプットに繋げる人の力が必要です。そこで重要になってくるのが、エンジニアの持つ「衝動」です。
エンジニアには「作りたい」「改善したい」という創造的な衝動がつきものです。新しい技術との出会いや、改善できそうな課題の発見は、私たちの想像力を刺激し、様々なアイデアを生み出すきっかけとなります。しかし、その衝動を実際のアウトプットに繋げることは想像以上に難しいものです。

アイデアを形にするのを妨げるもの

システムの複雑性という壁

システムが複雑化し、容易に変更できない状態は、アイデアの実現を大きく阻害します。新機能の追加が既存システムへの深い理解を要求し、変更の影響範囲の把握も困難になっています。また、テストの複雑さも実装の大きな障壁となっています。このような状態では、ちょっとした改善アイデアであっても、実装に踏み切れないことが多くなります。

知識とリソースの可視性の問題

「どこに何があるのか分からない」という状態は、創造性の発揮を著しく妨げます。利用可能なライブラリやツール、チーム内の知識やスキル、さらには既存の類似実装など、手札が見えない状態では、新しいアイデアを組み立てることも難しくなります。これは特に、チームの規模が大きくなるほど顕著な課題となります。

技術力に関する二つの課題

技術力の不足は、実装段階での挫折とアイデア創出の制約という二つの方向で影響を与えます。実装段階では、基本的なコーディングスキルやデバッグ能力の不足が原因で途中で断念してしまうことがあります。また、技術に対する理解が十分でないと、新しいアイデアを思いつくこと自体が難しくなります。できることが限られていれば、生まれるアイデアも自ずと限定的になってしまいます。

モチベーション維持の難しさ

アイデアを持続的に形にしていく上で、モチベーションの維持は重要な課題です。最初の熱量が持続しない、日常業務との両立が難しい、フィードバックが得られないなど、様々な要因でアイデアが放置されてしまいます。プロダクトマネージャーやデザイナーなど周囲のメンバーとの関係性も、この課題に大きく影響を与えます。

CULTIBASE 開発の基盤作り

私たちが開発している CULTIBASE Lab は、理論と実践が融合した経営・マネジメントの最新知見を学ぶサービスです。今年の6月に完全無料化し、オープンソースコミュニティとしての一歩を踏み出しました。(詳細は以下の記事をご参照ください)

「CULTIBASE Lab」を完全無料化。理論と実践が融合した経営・マネジメントの最新知見を学ぶ、オープンソースコミュニティを目指す

この無料化プロジェクトとその後の開発において、私たちは以下のような取り組みを実施してきました。

技術基盤の整備

システムを改善しやすい状態に保つため、まずレンタルサーバーからの脱却を図り、バックエンドの刷新を行いました。また、自動テストや監視体制を確立し、変更の影響を早期に検知できる環境を整えました。これにより、新しいアイデアを試す際のハードルを大きく下げることができました。

知識共有の文化形成

ドキュメントの整備と継続的な更新を徹底し、チーム全体での知識共有を促進しました。定期的な勉強会を開催し、モブプログラミングやコードレビューに関するルールを整備することで手を動かして学ぶ機会を作り、チーム全体のナレッジの蓄積や技術力向上を図りました。

アイデアを育てる仕組み作り

以前はアイデアが生まれても流されてしまっていたのですが、今は思いついたらバックログに登録して、プロダクトチームでの議論のネタとして取り上げ、誰が何に興味を持っているのかを共有し、チーム全体での熱量を高めやすくする工夫をしています。

バックログにあるアイデアを動くものにして成果を共有する「もくもく会」も毎週実施しています。その場で作られたものは、プレビュー環境や社内β版として公開し、早期からフィードバックを得られる仕組みを整えました。

また、私の場合は実装している途中に飽きてくるので、モチベーションが下がらないように同じように興味を持ったメンバーと定例ミーティングを設定し、定期的に進捗や成果を共有しながら進めるようにしました。

まとめ:創造性を活かす組織づくりに向けて

エンジニアの衝動をアウトプットに繋げる上で、技術力で改善できる部分とそうでない部分があることが分かってきました。特に、チームや個人のモチベーションに関わる部分は、適切なルールデザインによって大きく改善できる可能性を感じています。

定期的な振り返りを通じて自分やチームの特性を理解し、それに合わせたルールを設計していくことで、より効果的にアイデアをアウトプットに繋げることができると考えています。このプロセスについてはまだ手探り状態なので継続的に改善をしていく予定です。

技術的な基盤整備とチームでの仕組み作りの両輪があってこそ、エンジニアの創造的な衝動は具体的な価値として結実していきます。CULTIBASE Lab はコンテンツだけでなくプロダクトとしてもアップデートしていますので今後とも期待していただければと思います。

「わたしたちの冒険」というテーマに寄せて

今年の MIMIGURI アドベントカレンダーでは #わたしたちの冒険 というテーマを掲げています。

まとめで述べたように、エンジニアの衝動をアウトプットに繋げる取り組みは、一見すると普通の改善活動に見えるかもしれません。しかし、わたしたちの背景には作り手の衝動を大切にする「冒険的世界観」があり、それは既存のHowを活用しながら、より現代の環境に整合した組織作りを目指しています。

この記事の背景にもある「冒険的世界観」についてのウェビナーが 12/10 (火) に開催されますので、組織やチーム作りに関心のある方は是非ご参加ください。

冒険する組織のつくりかた 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法 - 安斎勇樹 無料ウェビナー | MIMIGURI

明日のアドベントカレンダーは、同じく CULTIBASE に携わっている井上さんです!お楽しみに🥳