『学びをやめない生き方入門』から学ぶこれからの学習習慣

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『学びをやめない生き方入門』から学ぶこれからの学習習慣

『学びをやめない生き方入門』(中原淳・パーソル総合研究所・ベネッセ教育総合研究所/著)を読んで、エンジニアとして働く自分の学びについて振り返る機会を得ました。本書で紹介されている学びのバイアスやプラクティスを、エンジニアの視点から読み解きながら、これからの学びについて考えてみたいと思います。

学びをやめない生き方入門

本書が示す「学びを邪魔する7つのバイアス」

本書では、私たちの学びを邪魔する7つのバイアス(新人・学校・現場・地頭・自信の欠如・現状維持・タイパ)が紹介されています。特に印象的だったのは、「継続の本質は『毎日欠かさず続けられるかどうか』ではなく『やめてしまっても、もう一度はじめられるかどうか』である」という指摘でした。

エンジニアという職種で働いていると、技術の変化が速いため、常に新しいことを学ぶ必要があります。そのため、学習サイクル(学ぶ→実践→フィードバック)が仕事に自然に組み込まれています。新しい言語やフレームワークを学んで実際に仕事で使う、というサイクルを日常的に回しているため、「学び結ぶ」という習慣が身についているように思います。

エンジニアが持つ学習の強みと、新たなバイアス

本書の「学びの秘匿化」という概念を読んで、エンジニアコミュニティの特徴に気づきました。エンジニアの世界では、技術ブログやOSSへの貢献、勉強会での知識共有など、学びをオープンにする文化があります。これは「共習する」という、本書が推奨するプラクティスを自然に実践できている例だと言えるでしょう。

しかし一方で、SNSやカンファレンスで活躍するエンジニアを見ていると、「自分も技術記事を書かなければ」「最新技術をキャッチアップしなければ」というプレッシャーを感じることがあります。これは外的動機による学習であり、本書が指摘する「タイパバイアス」(手っ取り早く正解だけを学びたい)と結びつきやすい状態かもしれません。

さらに、私自身気づいたのは、「技術以外の活動は無駄」という思い込みを持っていたことです。ゲームに没頭したり、推し活で盛り上がったりする時間を、どこか後ろめたく感じていました。しかし、これこそがエンジニアという職種にとらわれた結果獲得したバイアスだと気づきました。

「のめり込み経験」と内的動機の発見

本書では、学びのバイアスを打ち砕く経験として「お出かけ経験」「見渡し経験」「のめり込み経験」が紹介されています。特に「のめり込み経験」の説明で登場する「集合的沸騰」という概念が印象的でした。

振り返ってみると、推し活やゲームでの体験にも、この集合的沸騰があったように思います。身体感覚や感情を伴う体験は、後から振り返ると深い学びにつながることが多いと感じます。技術学習では得られない、別の種類の学びがそこには確実に存在しています。

本書が強調する「仕組み化」の重要性も、この文脈で理解できます。外的なプレッシャーで始めた学習は続きませんが、内的な動機と結びついた学習は自然と継続できる。そのためには、自分が何に本当に興味を持っているのかを振り返ることが大切だと感じました。

コンフォートゾーンから踏み出す勇気

本書では、コンフォートゾーン・ストレッチゾーン・パニックゾーンという概念も紹介されています。エンジニアとして技術領域では積極的にストレッチゾーンに踏み出せても、技術以外の領域では躊躇してしまうことがあるかもしれません。

しかし、エンジニアとして培った学習の型(観察→抽象化→実践→振り返り)は、どんな領域にも応用可能なはずです。システム思考の本から設計思想を学んだり、ゲームのレベルデザインから学習曲線の設計を学んだり。多様な経験は、結果として技術領域での創造性も高めてくれるはずです。

これからの学習習慣

技術の進歩により、エンジニアの働き方も変わっていくと思います。でも、私たちにはすでに学び続ける習慣があります。この習慣を技術だけでなく、他の分野にも活かしていけたら良いなと感じました。

技術ばかり学んでいると視野が狭くなりがちですが、いろいろな経験をすることで新しい視点が得られます。時には「エンジニアらしさ」を忘れて、純粋に興味のあることに没頭してみる。そこで得た気づきを、仕事にも活かしていく。そんな学び方ができたら面白いのではないでしょうか。